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TVLトップ10のDeFiプロトコル・ブロックチェーン【2025年5月】

TVL(預かり資産総額)上位のプロトコルやブロックチェーンを紹介します。投資家が数十億ドル規模の資産を預けているプロトコルが一目でわかります。

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Tangemチーム
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分散型金融(DeFi)の世界において、TVL(Total Value Locked:預かり総資産額)は重要な指標です。これは、ユーザーが貸付・ステーキング・流動性提供のためにスマートコントラクトにロックした資金の総額を示します。今回の記事では、TVLの計算方法や、TVL上位のDeFiプロトコルの一覧、そしてTVLの重要性について説明します。

TVLとは?

TVL(預かり総資産額)は、DeFiプロトコルのスマートコントラクトに保管されている暗号資産(仮想通貨、ステーブルコイン、トークンなど)の米ドル換算額を表します。TVLは、プロトコルへのユーザーの参加度合いや、オンチェーンでの流動性の深さを可視化します。

TVLが重要な理由

TVLは、投資家がDeFiプロジェクトの人気度合いを評価するための指標となります。TVLが高い場合、多くのユーザーがそのプラットフォームを信頼し、資産をロックしていることを意味します。逆に、TVLが低い場合は、そのプラットフォームの信頼性や魅力に対する懸念を示しているかもしれません。

またTVLは、DeFiプロジェクトの規模や影響力を比較するためにも有用です。TVLを確認することで、どのプラットフォームが資産活用やユーザー参加の面でリードしているかを把握できます。

TVLを計算する方法

1.ロックされた資産を特定する

まず、調査したいプロトコルのスマートコントラクトに保管されているすべての資産をリストアップします(例:自動マーケットメイカーならETH、USDC、DAIなど)。

2. リアルタイム価格を取得する

CoinGecko、Binance、Chainlinkなどの信頼できるAPIやオラクルを使って、各資産の米ドル建てのリアルタイム価格を取得します。

3. 残高に価格を掛け算する

各資産について、スマートコントラクトに保管されている数量に現在の米ドル価格を掛けます。

例えば、プロトコルが5,000ETH、2,000DAI、1,000USDCを保有しており、それぞれの価格がETH=2,000ドル、DAI=1ドル、USDC=1ドルの場合は、以下のように計算します。

  • ETH:5,000 × 2,000ドル = 1,000万ドル
  • DAI:2,000 × 1ドル = 2,000ドル
  • USDC:1,000 × 1ドル = 1,000ドル
  • 合計TVL:1,000万3,000ドル

4. 集計して公開する

各資産の米ドル換算額を合計して、プロトコル全体のTVLを算出します。ダッシュボードではこの計算がリアルタイムで更新され、DeFiの経済活動のスナップショットを即座に確認できます。
 

多くの投資家は、DefiLlamaなどのDeFi分析プラットフォームを利用して、必要なデータを取得しています。これらのプラットフォームは、DeFiアプリケーションからAPIなどの手法を用いてデータを収集しています。

TVL上位のDeFiプロトコル一覧【2025年5月時点】

以下は、2025年5月時点におけるTVL(Total Value Locked、預かり資産総額)をもとにした主要なDeFiプロトコルの一覧です。どのプロトコルに多くの資金がロックされているかを見ることで、DeFi市場における資本の集中状況を把握することができます。

順位名前対応ブロックチェーン数TVL30日間の変化 
     
1AAVE13179億3600万ドル+2.89%
2Lido5145億8600万ドル-19.81%
3EigenLayer169億900万ドル-20.53%
4Sky158億5500万ドル+55.59%
5Ethena148億5600万ドル-26.38%
6Spark343億9200万ドル+95.54%
7ether.fi142億5200万ドル-14.75%
8Uniswap3038億1700万ドル-4.60%
9JustLend135億7100万ドル+2.39%
10Pendle1028億7200万ドル-38.36%

※データはdefillama.comを参照しています。

ブリッジTVLとは?

ブリッジTVLとは、異なるブロックチェーン間で資産を移動するために使用される「ブリッジ」のコントラクト内に、ロックされた暗号資産の価値を示す指標です。これは、ネットワーク間をまたぐ流動性を把握するうえで重要なものです。

具体的には、ブリッジTVLはクロスチェーン・ブリッジにロックされている暗号資産の米ドル換算額を示します。クロスチェーン・ブリッジは、あるブロックチェーン上でトークンを預けることにより、別のブロックチェーン上で同等のトークンを発行または引き出す仕組みです。

例えば、イーサリアムからLayer 2ネットワークに数十億ドル分の資産が移動した場合、それがブリッジTVLとして反映されます。

「ブリッジ」としてカウントされるものには以下が含まれます

  • プロトコルが公式に提供するブリッジ(Canonical bridges
     
  • 外部のカストディ型ブリッジ(例:WormholeAxelarなど)
     

TVL上位のブロックチェーン一覧【2025年5月時点】

以下は、2025年5月時点におけるTVLをもとにした主要なブロックチェーンの一覧です。この表は、DeFiにおける資金がどのエコシステムに集中しているかを示しています。

順位チェーンプロトコル数30日間の変化TVLブリッジTVL
      
1Ethereum1329-9.92%462億9300万ドル3472億7800万ドル
2Solana213+2.41%72億1,700万ドル255億4600万ドル
3BSC871+2.61%55億500万ドル110億2300万ドル
4Tron35+4.97%49億800万ドル729億9800万ドル
5Bitcoin58-49.19%36億9600万ドル0ドル
6Base496-8.36%28億2800万ドル117億2000万ドル
7Berachain57-14.94%24億7,700万ドル29億8800万ドル
8Arbitrum795-16.42%21億900万ドル105億4500万ドル
9Sui62+4.63%12億400万ドル11億2100万ドル
10Avalanche435+8.55%11億9000万ドル57億900万ドル

※データはdefillama.com/chainsを参照しています。

TVLと市場心理

TVLが増加することは一般的にポジティブな傾向とされており、勢いに乗るプロジェクトに資金が流入していることを示します。一方で、TVLの減少は市場のネガティブな感情を引き起こす可能性があります。

例えば、ユーザーがプロジェクトから資産を引き出し始めた場合、セキュリティへの不安や利回りの低下といった問題が背後にある可能性があります。このような動きは、投資家の売却を誘発し、TVLのさらなる減少につながることがあります。

高TVLプロトコルのリスク

TVLが高いということは、「ユーザーからの信頼の証」であると同時にリスクも伴います。大量の資産が一つのプロトコルに集中していると、ハッカーの格好の標的となりやすいからです。万が一そのプロトコルがハッキングを受けた場合、ユーザーの損失は大きく、TVLが急激に下がる可能性があります。

TVLという指標の限界

TVLはあくまでロックされている資産の総額を示すだけであり、実際のユーザー活動を反映しているとは限りません。例えば、少数の大口投資家が多額の資産をロックしているだけで、実際のアクティビティが少ない場合もあります。

また、悪意のあるプロジェクトがTVLを人為的に引き上げて注目を集めようとするケースもあります。このような場合、プロジェクトの実態を正しく評価することは難しいかもしれません。ただし、歴史が長く評判の高いDeFiプラットフォームやdAppsでは、大きな問題にはなりにくいです。

なお、レンディング型プラットフォームは魅力的な年利(APR)を提示することで投資家を集めており、これによってロックされる資産がネットワークのTVLを押し上げています。

まとめ

TVLは、投資家がDeFi市場をより正確に理解し、適切な意思決定を行うための参考となる指標です。TVLの動きや背景を理解することで、プロジェクトの安定性や成長性を評価しやすくなります。

 


本コンテンツは情報提供を目的としたものであり、投資アドバイスではありません。Web3や暗号資産への投資にはリスクが伴います。各プロジェクトやアプリを利用する際は、必ずご自身で十分な調査を行ってください。

Tangem AGは、暗号資産管理のためのハードウェアウォレットおよびノンカストディ型ソフトウェアを提供していますが、金融サービスプロバイダーや暗号資産取引所としての規制は受けていません。Tangemは、ユーザーの資産や取引を保有・管理・仲介していません。

ステーキングや利回り獲得サービスは、外部のブロックチェーンプロトコルおよびDeFiプラットフォームによって提供されており、Tangemはそれらにノンカストディ型でアクセスできる手段のみを提供しています。ステーキングによる収益は保証されておらず、大きく変動する可能性があり、すべて自己責任でご利用ください。

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著者紹介 Tangemチーム

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